2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】
ケントで初めてのヘアカット
- #22. (2001年08月07日)
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今日はこの町へ来て初めて「ヘアカット」へ行きました。
冬休み(去年の12月から今年の1月にかけて)に日本へ帰ったときに行き付けの美容院で切ったのが最後です。つまり半年以上も髪の毛を切ってなかったのです。
なぜこんなに長い期間美容院に行かなかったかというと、近所にいい美容院がなかった(と思っていた)からです。あるにはあるのですが、「9ドル」や「10ドル」のところははっきり言って「へた」です。こういうところは大抵、髪の毛をろくにぬらさずはさみでバシバシ切っていき、髪の毛は服の中に入って痒いし…でも予約無しで行けるし、早いです。
日本人の髪の毛は西洋人の髪の毛とは質も量も違います。私のボーイフレンドの髪の毛は細かいカーリーヘアで、短く切っているので一見硬そうに見えますが、一本一本は私の髪の毛より細いです。
日本での行き付けの美容院の「ビューティシャン」が 言ってましたが、彼ら西洋人は東洋人の髪を切るのに慣れてないし、またその技術も持ってない、そうです。
東洋人の多いカリフォルニア州やニューヨークへ行けば、それなりの技術を持った人がいると思いますが、Kent でそれは期待できません。だから今まで躊躇してたのです。
私はここに日本人の友達が全くいないので、中国人、台湾人、韓国人など他の東洋人に「どこへ切りに行ってるの?」と聞くのが一番だと思っていたのですが、その情報も得られないままでした。
ところが私の知ってる韓国人の女の子(と言っても、彼女、前は私の先生だったのですが)が私のアパートのすぐ近所の美容院に行ってると言うではないですが。彼女は韓国人、髪の質も量も私のものとはあまり変わりません。ここなら、きっと満足のいくカットが望めると思い予約をしました。
値段も15ドルくらいと聞き、「予算以内」です(本当は30ドル くらい出せば、もっといい美容院はいくらでもあると思いますが)。
予約は朝の9時に取りました。ルームメイトが、「何でそんな早い時間にとったのぉ ?」というので、私も良くわからん、と答えました。日本ではいつも土曜日の仕事のないときに行っていたので、どうしても朝の予約を取っていたのです。その「くせ」で多分「9時」と行ってしまったのだと思います。
ちょうど9時に到着。「9時に予約を取ってます Toshie です」というと「まってました」とばかりに担当者が「こちらでーす」と店内へ通してくれました。
彼女は Bonnie という名前のブロンド女性でし た。歳は、大学生の息子がいるって言ってたから、それくらいの歳でしょう。
まずシャンプー室へ行きました。くびに紙を巻かれて(多分切った髪の毛が襟へ入らないようにするもの)、エプロンのようなものを着せられ、日本と同じように後ろ向きに頭を倒しました。「シャンプー」と書きましたが、ただ単に髪の毛をぬらしただけです。日本だと、普通シャンプーしますよねぇ。しかも、「痒いところはございませんか?」と丁寧に聞いてくれます。私は「背中って言ったら掻いてくれるんですか?」と日本のビューティシャンに聞いたことがありますが…。
さて、ここで、「今日はどんな風に切るの? そろえるだけ?」などと尋ねられます。私は今あるレイヤーをそのまま短くした感じにして欲しかったので、「5インチ切って、レイヤーが今あるみたいにして下さい」と伝えました。
次はカット。「どれくらいここにいるの?」とか、「なに勉強してるの?」「何年生?」などと言う会話の間に髪の毛は切られていきます。
彼女は私の髪を切ってる最中、ガムをかんでましたね。日本では絶対にないですね、こんなこと。
鏡を見る限り、前から見た感じはいい風に仕上がっていってます。どうやら切り終わったみたいで、彼女はドライヤーをかけ始めました。でも完全には乾かしません。だったら最初っからドライヤーかけなければいいのに。
この店にいたのたったの15分だったんです。驚きです。10ドルのところと時間は変わらないんです。カウンターで精算して(16ドルでした)、最後に彼女へのティップを払います。3ドル渡したかったのですが1ドル札がもう2枚しかなかったので2ドルで我慢してもらいました。
そのあとそのまま学校のジムへいったのですが、そこの鏡で髪の毛を見てみると、後ろの切り方がちょっといやです。まっすぐ切ってる感じ。しかもすそは「分厚い」まま。
でもこんなもんでしょ。ルームメイトは「もう1回行って切ってもらったら ?」というのですが、私は何を隠そう面どくさがりです。次のときに、今度はすそを もう少し薄くしてくれと言うつもりです。 【第23話へ】