2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】
パンプキン彫りコンテスト
- #31. (2001年10月22日)
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今月の31日は「ハロウィーン」です。アメリカの英語の授業で「ハロウィーンの由来」というのをやったと思うのですが、忘れました。要するにお盆のアメリカ版と思って下さい。お化け大会です。
その日の晩、子供たちは仮装して "Trick or Treat!"(お菓子くれないといたずらするぞ!)と言いながら近所の家々を回り、袋いっぱいにキャンディやチョコレート、ガムなんかを集めて帰宅します。
そのほかの行事としてはその日の前の週末に(今週の土曜日です)、ダウンタウンでコスチュームパレードがあります。私はまだ何になるか決めてないので、週末にボーイフレンドとコスチュームを買いに行きます。
それともう1つ、「パンプキン彫り」というのがあります。日本ではあまり見かけないオレンジのかぼちゃの中をくりぬき、表面に彫刻をして中にろうそくを灯します。"Jack’-o’-lantern" (ジャッコーランタン)<日本語での発音がわかりません>です。これを先週末、ルームメイト、ルームメイトの友達、私のボーイフレンド、私とで、一応コンテストということで行いました。
まずはかぼちゃ探し。近所のスーパーにもたくさんかぼちゃは売ってるのですが、 ルームメイトが「パンプキンファームとやらへ行ってみたい」というので、そこで購入することにしました。彼女は人からその場所を聞いたらしいのですが、話からすると、どうやらそこは私も知ってる場所でした。実はボーイフレンドの家へ行く途中に大きな看板を見たことがあるので、じゃ私が案内しましょうということになりました。
車を30分ほど走らせると例の看板が出てきました。その先の道を右に曲がれと書いてあるので、細い、とうもろこし畑の間の道を行くと、右前方にごろごろと黄色のかぼちゃが見えてきました。"Parking" の札もかわいかったです。
かぼちゃは値段ごとに列を作って並んでました。25セントから高いのは7ドルくらいのがあったかなぁ。あまり高いのはその分重いので無視してたので、あまり覚えてません。
かぼちゃの間でうろうろしてるいと、1人の経営者らしき「老婆」が「ちょっと説明させて。かぼちゃは値段の列に並んである通りの値段。向こうにあるのはまだ値段がないけど、重さをはかって売るわよ。それと向こうの "コーンメイズ" (とうもろこし畑の迷路)は入場料2ドル。4時には "ヘイライド" (多分荷車に干草が載っていてそれに乗るんだと思います)が戻ってくるわ。あと20分ね」などと説明を受けました。
かぼちゃ探しの前に、ちょっとファームを探索しようかということになり、何やら向こうに動物(やぎでしたが)が見えるので、ルームメイトと2人でそこへ行こうとすると、「アニマルファームは入場料2ドル」とまたおばーちゃんが登場してきました。「なんでやぎ見るのに2ドルも払わなあかんねん」と2人で引き返そうとすると、「動物さわるの面白いわよぉ」と誘いかけてきましたが、「結構です」とかぼちゃのほうへ戻りました。
(なんでもお金取るねんなぁ)と思いつつも、私はすぐに2ドル25セントの形のいいかぼちゃを見つけました。それと、ボーイフレンドの家に飾るのが欲しかったので75セントのものも1つ。あとは部屋の飾り用として小さなかぼちゃが3個で1ドルだったのでそれも購入。
で、そのおばーちゃんのところへ行き、「これが2ドル25セント、これが75セント、で、この3つは1ドル」と、1ドル札4枚を渡そうとすると、まだ計算しています。「いや、だからぁ、これはここから持ってきたから2ドル25セントでしょ? で、これはあそこの列で75セント。これで3ドルでしょ? で、この3つで1ドルのを足すと4ドル」でもまだおばーちゃんは納得がいかないようで計算を続けています。でもようやく「4ドルね」といって、私のお金を受け取ってくれました。1ドル札を4枚渡すと「私1ドル札好きなのよぉ」と喜んでました。
さて、このかぼちゃをどうやって車まで運ぼうかと思っていると、なぜか私のところへスーパーのビニール袋が「これに入れなさい」とばかりに風で飛ばされてきました。で、ありがたくこの袋を使わせてもらいました。でもこのおばーちゃん、この計算力でちゃんと経営していけてるのでしょうか?
次の日の土曜の夕方、ボーイフレンドと香港人のルームメイトの友達もやってきてかぼちゃ彫り大会です。私とボーイフレンド、ルームメイトとルームメイトの友達とで組になり、コンテストをすることにしました。
まずはかぼちゃのへたの部分を包丁で切り、あとは中の種や綿状の果肉をすくいだします。その後、表面に顔のデザインをします。どんな顔にするか双方迷いました。ルームメイトの友達の専攻は服飾デザインで、「こっちにはデザイナーがいるからねぇ」と言うので、こちらも負けずに、「こっちにはエンジニアがいるもんね」とわけのわからない問答の後、デザインが決まったので彫りにかかりました。
日本にある黒いかぼちゃと違って、このオレンジのかぼちゃの中身はすごく柔らかく、彫刻がしやすいのです。できあがったものを窓際に飾ってろうそくを灯して記念撮影。で、判定は…。結局両方とも優勝という、なんか幼稚園の子みたいな結果に終わりました。
写真の左から私とボーフレンドの作品、ルームメイトとその友達の作品、一番右はボーイフレンドの家用に私が彫ったものです。
日本で花屋さんを経営している友人が言っていましたが、日本ではまだまだこのタイプのかぼちゃが流通していないようですね。だから、かぼちゃ彫りもなかなか定着しないでしょう。でももし手に入ったら、挑戦してみてください。【第32話へ】