2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】
ケンタッキーへ1人ドライブ
- #43. (2002年3月24日)
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今週から春休みです。私は毎週金曜日は授業がないので、実際は金曜日から春休みです。そこで、ケンタッキーに住む友人を訪ねることにしました。
彼女には今の大学に来る前に会った以来、電話でしゃべるだけでした。ですから1年半以上ぶりの再会。その当時は、彼女はオハイオ州のシンシナティに住んでいたのですが、今はシンシナティから車で1時間ほどのところにあるケンタッキー州の結構田舎町に住んでいます。
私はそこまで車で行くことにしたのです。インターネットで調べると6時間運転、260マイル(約420キロ)の旅。ほぼオハイオを南北縦断です。私は1人でそんなに長い距離、長い時間を運転したことがなかったので、結構心配だったのですが、全行程を自分なりにどこのハイウェーをどこの出口で出て、どの道でどちらに曲がる、と書いたメモを車の中に貼って準備は完璧です。
実は、自分1人でハイウェーを運転するのも初めてだったので、結構ドキドキ…。友人とは6時半に彼女の家の近くの 「ウェンディーズ」で待ち合わせだだったので、家を12時に出て、途中の休憩時間を加味すると6時半には着く予定でした。
前々日にガソリンは満タンにしたし、出発当日も出発前にタイヤの空気圧とエンジンクーラの液の量を見て、実際にアパートを出発したのは12時15分でした。出発当時は、私たちの地域はまたまたエリー湖寒波で前の晩から大雪で、車から20cmほど積もった雪を掻き下ろすところから始まりました。
結果からいうと、(間違ったかな?)と思った事は何度かありましたが、なんと1度も間違えずに、しかも「6時35分」に待ち合わせ場所に到着しました。ウェンディーズのある交差点に着いた時に信号で5分待たされたので、実に時間通りの運転だったわけです。1度だけ、これはインターネットの地図の指示ミスで違う出口に出てしまいましたが、すぐに間違いに気付き軌道修正しました。
ところで、6時間1人で運転するのは退屈なものです。アパートから1時間ほど運転すると71号線というコロンバスまで続くハイウェイを2時間走るのですが、これが長くて長くてずいぶん退屈…。退屈とはいえ、結構緊張はしながら運転してました。そのため、途中周りの景色から雪が消えていることにも気付きませんでした。やはり少し南へ行くと暖かいんですねぇ。
同じオハイオでもコロンバスまで行くと雪はありませんでした。ケンタッキーに近づいた辺りはすごく山道で何にもなく、さみしげな道でした。でも、目的地のウェンディーズを見つけた時は感激、感激! しかし店には友人の姿は見えず、時間どおりに着いたこともあり、何も注文せずに彼女を待つことにしました。
実は彼女、この日に日本から社長が急に来米することになり、そのディナーに出席して欲しいと言われていて「ちょこっと顔出してから行くわぁ」ということだったのです。でも、日本人の集まりで「ちょっこと顔出して」はできないでしょう。結局彼女は7時近くになって現れて、感激の再会です。
その後はおなかがペコペコだったので、彼女のアパートに戻ってから食事に出ることにしました。この彼女のアパートに着いてびっくりしたこと、それは、このアパートの間取りがボーイフレンドのアパートと全く同じなのです! もちろん置いてある物は違いますよ。でもドアの位置から窓の位置、棚の位置、台所バスルーム、ベッドルームの間取り、そしてスイッチの位置まで同じです。なんか落着きます。使ってある素材や模様まで同じなのです。これは作った業者が同じなのか、それともその当時のはやりなのか、とにかく何から何まで同じです。ただ置いてあるものが違うので(当たり前ですが…)、ごみを捨てるためにシンクの下の戸を開けてみたり(ボーイフレンドの家にはそこにごみ用の袋があるから)、お皿を取るのに違う戸棚を開けたり…結構不便なこともあります。
そんなわけで食事に出かけることにしたのですが、シンシナティまで行かないと「こじゃれた」レストランがないので、1時間以上もかかって到着。もう9時ごろになってました。おいしいといううわさのタイ料理のお店に入り、食事後はダウンタウ ンへ行き、前にも行ったことがあるバーへいったのですが、なぜかこの晩は年配の人が多く、2人で少しがっかりして、別のお店へ(少し飲んでからですが)。そこは古本が本棚にズラーと並び、お酒もコーヒーも飲め、ジャズの生演奏をしているお店でした。彼女もこのお店のことは知らなかったみたいでずいぶん気に入ってました。 チャイティーを飲み、12時を過ぎていたので帰宅することにしました。彼女は次の日土曜日というのに棚下ろしのために7時から仕事だったのです。アパートに戻ると夜中の2時。私も6時間の運転で疲れていたのでぐっすり寝ました。 この後の事はまた続きで。【第44話へ】