ELS 一覧

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2001年の5月から2003年の5月まで、丸々2年間、当時現役の留学生だったトシエさんが MIYACO に寄せて下さった日記です。当時から大分月日が経ちましたので、現在のアメリカ留学・生活事情にそぐわない箇所もありますが、当時の貴重な記録として、また、ひとつの読み物としてお楽しみ下さい。 【目次はこちらです】

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気前のいい妹分ができる

#58. (2002年8月12日)

先週の土曜日のことです。今年からスピーチパソロジーの博士課程で勉強する、韓国からやってきた女性と会いました。

なぜ彼女と知り合ったかといいますと、私たちのプログラムでは "big sib, little sib" という子弟関係を作るシステムがあり(半分遊びみたいなものですが)、つまり長くKent にいる学生が、まだここの生活になれていない学生の相談係になる、というものです。これは大学院でのプログラムに限られて行われるので、おかしなことが起こります。というのは、大学院に入る前に学部から上がってくる学生もいれば、私のように院に入る前に1年間基本教科のみ勉強する学生もいます。ですから、大学院のプログラムは昨日から始めたけど Kent には4年前からいる。で、自分のお世話係は、大学院から Kent に来た2学期目の学生ということが起こります。

現に私の前のルームメイト・ルビーちゃんは先学期、何年も Kent で勉強しておりしかも学部のカウンターで働いてるという、Kent もスピーチパソロジーのシステムも知り尽くしている学生の「おねーさんアドバイザー」になってました。

ま、理由は何であれ、これをきっかけに友達になれたらいいのでしょう。

さて、私はこのシステムを取りしきっている先生から手紙をもらいました。それには、韓国人らしい名前がありました。「手紙を書いてあげて」というので、まずは手紙を韓国あてに書きました。ちょうど私も韓国語を勉強し始めたころで、なんか不思議な偶然でした。返事は E メールできて「アメリカの生活は初めてなので心配」 とのこと。ですから私は、できるだけ彼女のことを助けてあげようと思いました。

8月7日に Kent に到着するということでした。その後電話があり、土曜日の朝に学校で会うことになりました。彼女の名前は漢字で書くと「李 秀珍」で、英語だと "Su Jin Lee" さんです。Su Jin がファーストネームです。私の BF はいつも彼女の名前をフルネームで呼びます。何か、ごろがいいんでしょうか?

お互い会ったとき、彼女は 「オハヨウゴザイマス。ハジメマシテ」と日本語で挨拶してくれました。後で聞くと、叔父さんが日本人系だそうで、昔日本の人と文通(メル友ってやつではない)もしてたそうです。

私も韓国語で「アンニョンハセヨ」と挨拶。誉められました。発音、ばっちりだったみたいです。ま、専門家ですから…。

そのあと、彼女は小さな冷蔵庫が欲しいというので、それを探しに出かけたのです。でも結構いいのが見つからなくって、最初に見たのはどこのメーカーかよくわからないのに80ドルもしました。で、この値段を覚えておいて、別の場所へ。

ショッピングモールの方へ行けばあるかなと思ったんですがこれが検討違いで、掃除機は売ってますが冷蔵庫はありません。冷蔵庫や洗濯機、乾燥機といったものは "Appliance" (アプライス)と呼ばれ、取り付け電気製品に当たるため、電気屋さんみたいなところへ行かないとないんですねぇ。食器売り場で「冷蔵庫置いてますか? ないですよねぇ…」というと 「○○へ行けばあるわよ。ここから通りを渡って、ナショナルシティバンクの隣」と 店員さんが教えてくれました。しかし、この「○○」の名前は知ってますが、そのモールのそばではどこにあるのか知らなかったので無視して、自分の知ってる大型量販店へ行きました。するとそこには日本のメーカーで、しかも先ほどの冷蔵庫より安いのが見つかったので、即座に決定。彼女は70ドル未満で冷蔵庫を購入できまし た。

メインの目的が終わったので、どこかで食事をすることに。でも、そんなにおなかが減ってるわけでもなかったので Kent まで戻って、ファストレストランでサラダを食べることにしました。そのテーブルで彼女が、「あなたにプレゼントがある」というのです。今日会ったばかりなのに何をプレゼント? と思い、「学校が始まるからノートや鉛筆か何か?」と言うと、「そんなもん」との答え。ちゃんとラッピングがされ、リボンまで付いてます。何だったと思います?

なんとそれは、韓国で出版された日本人向けの「韓国語入門」というテキストだったのです。まさに私が欲しいィ、と思っていたものだったので、大感激です。今使ってるコンピューター用のソフトはもう一つ説明不足な所があって、日本語で書かれた本があったらなぁと思っていたところだったのです。なんといい人なのでしょう! 内容は全て日本語で書かれているのですが、裏に「7000ウォン」と書いてありました。ランチもおごってもらいました。実にいいひとです。

その後は彼女の寮へ行き、冷蔵庫を置きに行きました。この寮は私が1年目に住んでいた寮と同じです。ところが、今やこの寮はドアが全部新しいものにされ、壁も塗りかえられており、なんと鍵はホテル並の「カードキー」です。授業料が上がった分、こんなところに反映されていたとは…。しかも、電話も部屋についてるというんですねぇ。何という変わりようでしょう。私のときは電話も自分で用意しなけらばならなかったんですよ。

愚痴はこの辺にして、その後は、ちょっとキャンパス内を運転してミニツアーをしました。でも日中そんなことをしてると暑くて暑くて、しかも私の車、エアコンが効かないんです。で、私も夕方には帰らなければならなかったので(なんせケントまでは50分かかりますから)、3時半ごろに別れました。

今学期、彼女とは1クラス同じものを取ります。まだ英語が少しわからないところがありますが、彼女ならすぐに上手になるでしょう。なんせ、博士課程に行く人ですからねぇ。将来はアメリカでスピーチパソロジストになりたいそうです。博士号を持ったスピーチパソロジストなら個人のクリニックを開いて経営することも簡単ですし、将来雇ってもらおうかなぁ…。 【第59話へ】

カリフォルニアミラマー大学

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