アメリカ式の成績 GPA について
アメリカの成績評価は A、B、C、D、F の5段階となります。そして、A は4ポイント、B は3ポイント、C は2ポイント、D は1ポイント、F は0ポイントと、それぞれの成績に数値ポイントが与えられ、このポイントと単位数との兼ね合いから GPA (Grade Point Average) という、いわば学業成績の平均値が算出されます。GPA は0~4のスケールとなります。オール A の学生であれば GPA は4.0、オール F であれば 0.0 です(このことからアメリカの成績評価を4段階評価と呼ぶケースもあります)。
ちなみにアメリカの大学では、GPA が2.0を下った学生に対して警告が与えられることになるのが一般的です。この状態をプロベーションと言います。プロベーション下に置かれた学生は翌学期より、学期ごとの GPA (Semester GPA) が2.0を上回ることが求められます。この状態は全体の GPA (Cumulative GPA) が2.0を上回るまで続きますが、もしプロベーション下にあって、学期ごとの GPA (Semester GPA) が2.0を下った場合、停学(サスペンション)となります。サスペンションに陥った留学生は米国の外に出なければなりません。
これを見ても分かる通り、GPA 2.0 という数値はアメリカの大学における一種の最低ラインのようなもので、逆に言えば、これからアメリカの大学に入学しようとしている方に関しても、日本の高校時代の学業成績を GPA に換算した場合に 2.0 は欲しいところです。もちろん難関大学への入学を目指す場合には 2.0 は基準になりません。例えば世界的にも有名なプリンストン大学(米国ニュージャージー州)に合格・入学した学生の高校時代における GPA の平均は 3.90 です(2024年現在)。
自分の GPA を知っておくことは重要で、留学先の学校を決める目安になります。
ここではまず、日本の高校の成績をアメリカ式の GPA に換算する方法を見ていきましょう。例外が多々ありますが、一般には日本の高校成績は 5、4、3、2、1 の5段階評価です。少しややこしくなりますが、これらの数値は以下のようにアメリカ式に補正する必要があります。
日本の成績 | アメリカ式換算ポイント |
5 | 4 (A) |
4 | 3 (B) |
3 | 2 (C) |
2 | 1 (D) |
1 | 0 (F) |
その上で、以下の式を用いて GPA を計算します。
(成績×単位数)の合計÷総単位数 |
例えば M さんは日本の高校で以下のような成績を挙げました。
英語(4単位) | 5 |
歴史(4単位) | 4 |
数学(2単位) | 3 |
まずはこれをアメリカ式のポイントに換算して以下のようにします。
日本の成績 | アメリカ式換算ポイント |
英語(4単位): 5 | 4 (A) |
歴史(4単位): 4 | 3 (B) |
数学(2単位): 3 | 2 (C) |
各科目の(成績 x 単位数)は以下の通りです。
英語 | 4 x 4 = 16 |
歴史 | 3 x 4 = 12 |
数学 | 2 x 2 = 4 |
(成績 x 単位数)の合計は 16 + 12 + 4 = 32 となります。
この32を総単位数(4 + 4+ 2 = 10)で割ってやると、GPA になります。従って M さんの GPA は 3.20 です。GPA は下2桁まで表すのが一般的です。
各科目の単位数は、各学期ごとにもらう通信簿を見ただけではわからないことが多いですから、出身校に3年間分の英文成績証明を発行してもらい、そこで確認していきましょう。どちらの高校であっても、卒業後5年以内であれば英文の成績証明を発行してもらえる場合がほとんどです。