2013年06月より約3カ月間に渡りワシントン州シアトルに短期留学をされたミホさんの留学体験記です。Seattle Pacific University で授業を行う語学学校 A.C.E. Language Institute に在学されました。1959年生まれで留学当時のご年齢は54歳。栄養カウンセラーの勉強にも励まれている大変素敵な女性です。ミホさんの充実した留学生活(もちろんプライベートも)は実年世代で留学を検討されている方に大きな励みになるものと思いますし、若い世代の方にとっても参考になるはずです。
1話: 留学を成功させるために | 2話: 聞きたがりのアメリカ人 | 3話: 素晴らしい女学生生活(学校編) |
4話: 素晴らしい女学生生活(健康編) | 5話: 素晴らしい女学生生活(生活編) | 6話: 素晴らしい女学生生活(最終編) |
第3話 「素晴らしい女学生生活・学校編」
みなさん、こんにちは!
ああ、私の『素晴らしい女学生生活』のお話しをする時がやってきました。しかし、そもそもはこんなハズではなかったんです…私…。でも、本当に良い意味でアテが外れたのでございます!! 今回は少しあらたまって学校の様子も含めてお話しさせていただきますね。
"英語を学ぶ学校"という言葉でどのような学校をイメージされますか? 例えば日本人が多い、英会話学校の延長版、のんびり海外生活、遊びながら楽しみながら余裕、授業は比較的ユルい、宿題なし、etc...。そんな学校、ラクでなんだか楽しそうですね。しかし現実はとんでもなかったです。下調べがいい加減な私に、本当に MIYACO さんは良い学校を勧めてくださったと、今あらためて心から感謝しております。
さて、私がお世話になった SPU の A.C.E. は、US の大学や大学院を目指す外国人のための学校だったのです。私はこの学校で5週間の session を2回受けました。登校初日は実力ごとのクラス分けのための Placement test が実施され、Level 1 から Level 6 までのどこに入るかが決定されます。自分の能力によって Level が決まりますので、その Level の授業について行けないことはないと思います。5週間単位で1つの session が終わるのですが、その時に基準の成績が取れていると Level up します。Level 6 までの session、各授業ですべて基準の成績が取れたら学生担当者との面談により、TOEFL 免除になり、晴れて US の正規大学(院)生の道が開けるんです(大学、条件など詳細はエージェントにお問い合わせください)! それだけに授業のクオリティは高かったですし、授業中、みなさん真剣でした。SPU では、欠席、遅刻(5分以上だったか)などの管理は厳密に行われ、発給されている学生 VISA 継続に影響を及ぼすほど厳しいものでした。
授業でのプレゼンテーション
私のクラスの授業は早口の先生だったので、聞き逃さないようについて行くのがやっとで緊張の連続でした。聞き漏らしたかもしれないものは放課後、たびたび先生に確認に行きました。月曜日から木曜日までの週4日授業は時間的に大変恵まれていたと思います。そうでなければ毎日の生活と、繰り返し行われるプレゼンテーションのための宿題をこなす週末の時間は確実に不足していたと思います。Seattle の夏は夜10時まで明るく日が射しているため、時間を忘れて毎夜10時近くまで勉強していました。
午後、帰宅後は Tutoring Session と言って、私が住んでいた学生アパートメントで個人授業を受けていました。幸い、私担当の Tutor は芸術、料理、歴史など幅広い知識、見識がある64歳のすばらしい女性で、Session 初日にはオーガニックスーパーや魚屋までも案内いただき、Seattle での生活の一歩を踏み出す支援をいただき、おかげさまで最後まで満たされた食生活を送ることができました。また、聞きだし上手な Tutor につられて、調子に乗ってちょっとした週末の出来事、日本やアメリカの文化などを話していると、授業では習わないイデオムや単語を教えて頂け、現地の方とのコミュニケーションに大変役立ちました。
少しコミュニケーションがとれてくると、学校の授業だけで多少英語ができる気分になる方は多いかもしれません。先生方はみなさん分かりやすい英語で授業を進めますし、会話でもスラングはほとんど使われることはありません。要するに無菌状態に近いと考えておくのが無難です。学校の友人とだけだとお互いに英語は母国語ではないため、結構いい加減な英語で適当に通じていることも理解しておく必要があります。
本当に使える英語を目指すのなら、現地での生活圏内で自分にあったコミュニティに参加することは近道のひとつかと思います。コミュニティに参加することにより、自分のことはもちろん、日本の文化や芸術などを話す機会に恵まれ、英語力を上げながら新たな発見があります(逆に結構日本のことを知らないな…と実感もしました)。
アメリカには物を包んだり、くるんだり、畳んだり…という文化がないのでしょうか。私の手軽な即席な一芸では『ふろしきの使い方』講座が大変ウケましたよ。風呂敷(スカーフ代用)1枚で、たった10秒でできる結び目2つの可愛いバッグを作り、瞬時に結び目を解いて元の四角に戻した時には拍手喝さいで『マジシャンか?』と聞かれたほどでした。
普段は気にかけないことであっても、それぞれの国の『文化』にはたくさんの知恵が感じられます。今回の風呂敷芸も歴史から調べることになり、知っているようで知らないことが大変勉強になりました。本当に素晴らしい日本の知恵だと再認識です!
海外に住んで、あらためて母国の良さ、お互いの国の素晴らしさに新たな発見を感じ、自分の世界が広がることも留学の副産物ではないかと思いますね。【第4話に続く】